
ここ数年、首都圏を中心にマンションの建設ラッシュが続き、売れ行きも大変好調です。都心部、再開発地区、大規模タワーマンションなどさまざまなものがありますが、ほとんどが3LDK、4LDKという決められた枠組みの中で完結しており、あまり違いが感じられないのも事実です。そろそろ新しい形の住まいが登場しても良いのではないでしょうか。
そこで今日は、知的住生活研究所の主任研究員、白石真澄さんと小林博人さんに新しい住まいの可能性などについてお話をお伺いします。
以前は、部屋数がたくさんあり、自分の書斎を持つことがステータスでしたが、今の時代は、広い部屋にゆったりと住みたい、という傾向に少しずつですが、変わってきているように思います。ただ、まだ使いこなすというところまではいってないようですね。
- 小林
- そうですね、日本人はせっかくの広い部屋をいくつかコーナーで区切ったりして、広々したスペースをうまく使いこなすまではいってないようです。
それで、決められたサイズの部屋を選んでしまうのではないでしょうか。 - 白石
- それと、日本人は部屋に置いてある物が多いんですね。それで、お客様が来たときは収納の部屋に慌てて物を押し込んだりして。見せる部屋と生活する部屋を機能別に分けておきたい、ということがあると思います。そのため、広い空間を上手に使えないんでしょうね。

- 小林
- もともと日本にある和室は、いろんな使い方ができる部屋ですよね。ふすまや屏風をうまく使いながら、時間ごとに使い方を上手に工夫して使っていました。でも、ことマンションに関しては、部屋の使い方が下手ですね。まだ、自分たちの生活スタイルと住まいの間で、ズレがあるように思えます。
今回、つくばを舞台に、新しい住生活を考えていこうと思うのですが、つくばという土地はどう思われますか?
- 白石
- つくばは研究学園都市でインテリジェントな街という印象ですね。外国人も多く、いろんな文化が融合している懐の深さを感じます。つくばエクスプレスができて首都圏とも近くなったし。
- 小林
- つくばは日本で最初に都市計画によってつくられた人工の都市ですが、ちょっと行けば自然もたくさんある土地。都市と自然、適度な距離感がある住まい方ができるので、他とは違う、自分らしい生活ができるんじゃないでしょうか。
つくばエクスプレスが開通し、「つくばスタイル」という新たなライフスタイルも生まれてきています。そこで、「知的住生活研究所」をWEB上で展開することをどう思われますか?

- 小林
- インターネットは、コミュニケーションやネットワークを広げるいいツールだと思います。いろんな知識を得たり、また新しい住まい方の提案がどう受け入れられるのか、それに対して、いろんな方からさまざまな意見を聞けたりして、今のニーズを知るためにもいいですね。
- 白石
- 家は大きな買い物。購入を決める前に、つくばという地域を知ったり、生活スタイルを考えるということはとても賢い選択だと思います。ユーザーの期待感も大きいし、プロローグのような感じですね。

- 白石
- 今までは、住宅に自分の生活をあわせてきたと思うんです。引っ越すたびに、ソファやカーテンを買い換えたりして。でも、これからは“こういう生活をしたい”という夢や希望が反映される住まいづくりをして欲しいですね。器に応じた住まい方はやめよう、という考え方をしていければいいなと思います。
- 小林
- 今の生活は、昔よりも一定ではないですよね。現代のグローバルな生き方や変化する生活にも適用できるような、フレキシビリティのある住まいが求められます。昔は、木造一戸建で土地に余裕があったら、建て増しや取り壊しをして生活の変化にも対応していました。でも、今のマンションはそうはいきません。スペースの余剰分を、自分の生活の変化にあわせてどう使っていくか。それが今後の課題だと思います。
本日はどうもありがとうございました。